遠隔存在

[mixi 2006-10-13]

長いこと病床にある人とか,身体の具合で遠くに行けない人の代わりに,その人が制御するカメラや何かがお散歩して,外を歩く気分が味わえる,というような試みはどの程度行われているのだろう.

体が動かせなくなっても,人工呼吸器を着ければ,長期生存可能な病気もある.こういう人に対して,代わりの体が散歩したり,時には空を飛べたりすれば,寝付いてからの寿命が飛躍的に延びたりはしないだろうか.直接には感染など,さまざまな理由でなくなるのだと思うが,楽しみというのは決して2次的な要因ではないという気がする.

実際にこの種のことを試みるとして,大切なのは,できるだけローテクではじめて,本当に必要な技術や設備だけを導入していくことだと思う.たとえば,携帯とビデオカメラを持った人間が,指示にしたがって外を散歩する,というのなら技術は何もいらない.小さなボディにカメラを積んで,患者さんかそばの看護婦さんが病室で操縦し,ボランティアの人がボディについていってあげる,というのでもよい.

工学部にありがちな,まずファンドを申請して設備を購入するとか,自分たちの最新技術を使うことが優先するというようなやり方ではきっとうまくいかないだろう.複雑系ふうの変な理論とかも必要ない.必要なのは9割の看護技術と1割の工学,それも「機械に強い」程度のものだと思う.

残念ながら,こちらは看護にも機械にも弱いのであまり役立ちそうにないが,機会があれば何かやってみたい.患者さんが本当に望むか,望んでも疲れてしまわないか,電波機器を病院で使うためにどうするか,などよくわからないのだが.